日付2008年3月16日
午前4時過ぎ
概要凶器を用いた集団リンチ殺人
攻撃側人数4、5人
武器金属バット
死亡者1人

西新宿事件とは2008年3月に発生した殺人事件で、解散した暴走族「関東連合」のOBと親交を持つ被害者の金村剛弘が集団リンチに遭い殺害された事件で、犯人らは逮捕されていませんが、半グレ集団による抗争の一つと見られ、その残忍な殺害方法に波紋が広がりました。

事件の2日前、都内渋谷区の広尾にある関東連合メンバー行きつけのちゃんこ鍋屋で、金村が関東連合と対立していたグループのメンバーらと鉢合わせてしまい、その内の一人を殴り倒したということがありました。久しぶりに関東連合メンバーと会った金村はこのちゃんこ鍋屋に一緒に行ったところ、関東連合と対立する木村兄弟の参謀格であった武田修（ジャックスOB）が所属する、山口組・秋良連合会一蓮会の組員ら数名と出くわしてします。両グループは食事中はお互いに気づかなかったものの、会計の時にお互いの存在に気づき、店を出た途端にいがみ合いになり、金村が相手の一人を一発で戦意喪失させます。

金村が広尾のちゃんこ鍋屋で相手の一人を一発で倒した次の日、西麻布のカラオケラウンジのVIPルームで開かれた見立真一の誕生パーティーに金村は招かれます。このパーティーは仲間内の限られたメンバーで行われ、前日に金村がちゃんこ屋で秋良連合会一蓮会の関係者をワンパンで倒したという武勇伝で盛り上がったそうです。日付が変わった午前4時ころに解散、金村は後輩から気を付けて帰るように言われたそうです。

金村は自宅まで車を運転して車を降りた直後に待ち伏せしていた目出し帽をかぶった集団に、金属バットのようなもので襲われます。金村は泣きながら命乞いをして300メートルほど逃げたそうですが、襲撃者らは「殺せ！　殺せ！」と叫びながら殴り続けたことがわかっています。

この事件に関して未だ真犯人は捕まっていませんが、金村のことを慕っていた見立は、木村兄弟の犯行と断定し、金村の葬儀で涙を流しながら「仇討ち」を心に決めています。これが六本木クラブ襲撃事件につながるわけです。

場所東京都港区六本木五丁目5番1号
　　　　六本木共同ビル2階のクラブ
標的元山口組極心連合会系暴力団員
日付2012年9月2日
　　　　午前3時40分頃
概要凶器を用いた集団リンチ殺人
原因人違い
攻撃側人数9名（うち6名が実行）
死亡者飲食店経営の男性（事件時31歳）
負傷者被害者の友人2名
容疑凶器準備集合
傷害致死

2012年9月2日午前3時40分ごろ、東京・六本木六本木共同ビル(ロアビル)2階に位置するクラブ「フラワー」において、来店客の男性が、金属バットを持って店内に乱入してきた10人ほどの目出し帽姿の男らによって袋叩きにされ、男性は後に死亡が確認されました。死因は頭蓋骨損傷による失血死または脳幹部損傷とみられ、ほか同席していた友人2名も殴られ軽傷を負いました。

被害者は、藤本亮介さんという当時31歳の男性で、東京中野区上高田在住の飲食店経営者でした。「六本木クラブ襲撃事件」が発生した当初、藤本亮介さんはやり手の飲食店経営者として、東京都内に手広く事業を展開していた事もあり、関東連合と何らかのトラブルがあったとの見方で捜査が進められましたが、そうした事実は一切ありませんでした。また、関東連合OBで「いびつな絆 関東連合の真実」の著者として知られる柴田大輔氏（筆名・工藤明男）も、被害者の藤本亮介さんが完全な人違いによって襲撃され殺害された事を明言しています。

事件の大元になっているのは、「関東連合」と、それに対抗する「反関東連合」で結束した不良グループとの長年にわたる抗争で、反関東連合の中核をなしたグループに「新宿ジャックス」の結成時のメンバーの1人に金村剛弘という有名な不良が存在し、新宿ジャックスは結成当時は見立真一ら関東連合の不良達との関係は良く、金村も見立と非常に仲が良く、見立が関東連合の影響力を拡大していくと同時に、金村はそのケツモチ（後ろ盾）的な立ち位置へと収まっていきます。

新宿ジャックスは世代が変わり、当時有名な不良であった木村兄弟の弟・木村孔次郎という男がチームの顔役になると、次第に関東連合との対立を深めるようになり抗争が激化していきました。そんな中、金村が反関東連合グループに襲撃され、命を落とします。そして見立は、「反関東連合」の旗頭的立場にあった木村兄弟の弟・木村孔次郎への報復を決意します。

そして2012年9月、石元太一の元に六本木のクラブ「フラワー」に木村孔次郎によく似た男がいるとの連絡が入り、石元を通じて見立真一がそれを知り「六本木クラブ襲撃事件」が引き起こされる事になりました。クラブ「フラワー」のマネージャーは石元太一から木村孔次郎の身体的な特徴を知らされていましたが、実際に自分の目で見たわけでは無かった、それであまりにも石元から伝えられた特徴と藤本さんが似ていたため、石元太一に連絡してしまったことで人違いがおこったそうです。

「六本木クラブ襲撃事件」の真相は、木村兄弟が関東連合を潰すために仕組んだ罠だったという説が有力になっています。被害者の藤本亮介さんは、実は木村孔次郎と知り合いで、木村は自分と容姿の似ている藤本さんに目をつけ、自分の影武者に仕立てた上で偽の情報を石元太一に流したと言われています。実際に、「六本木クラブ襲撃」を起こした結果、関東連合はお粗末すぎる人違い殺人を起こした事で大勢の大物が逮捕され、見立は海外逃亡、そして求心力を失ってバラバラに空中分解を起こし、事実上の壊滅状態に追い込まれています。

石元太一　懲役15年
証拠不十分で不起訴
　本間裕典・増元宏明・小野雄一郎
凶器準備集合罪で執行猶予4年懲役1年6ヶ月
　弓田貴広・屋我正英・東江力也・岩渕暁
　金城勇志・渡辺晟也
準備集合罪および傷害致死罪で起訴
　小池幹士　懲役8年　　
　國田正春　懲役10年
　藤原悠平　懲役12年　
　原克一　懲役13年
　岡崎修一　懲役13年　
　後藤亮二　懲役13年
　元原将輝　懲役13年　
　百井茂　　懲役15年　

主犯格の見立は、事件後にフィリピンに逃亡したと言われています。2019年、フィリピンの海賊「アブ・サヤフ」のメンバーの中に、日本人がいるとの噂が出ましたが、この日本人が見立ではないかと推察されています。もし事実なら衝撃的な事実になります。