作中でサツキが記憶を思い起こす際に、一瞬映るお地蔵さんに「メイ」の名が刻まれていると噂されています。実際に該当シーンをコマ送りした時に確認できるということです。これが事実であれば、メイが既に死んでいることを裏付けるような都市伝説となりそうです。

実際に観てみると分かるのですが、地蔵が並んでいるシーンはあるものの、その中にメイと刻まれた地蔵はありませんでした。つまり、この都市伝説はデマだったといえます。

「となりのトトロ」が劇場公開されたのは1988年のことですが、実はこのとき、「となりのトトロ」だけでなくもう同時上映作品がありました。その作品というのが「火垂るの墓」でした。

当時、ジブリスタジオでは高畑勲監督が「火垂るの墓」を、宮崎駿監督が「となりのトトロ」を同時に制作を進めていたそうです。「火垂るの墓」は新潮社製作、「となりのトトロ」は徳間書店製作ということで、二つの出版社の合同企画という異例の上映ということで注目を集めました。

入院しているサツキとメイのお母さんですが、病名はいったい何でしょうか？年田悦では「結核説」が有力となっていますが、一部では「妊娠説」も出ているようです。結核といわれる理由は、トトロの舞台が1953年と結核が流行したころで、「胸」の病気ということが語られています。

さらに、サツキとメイのお母さんが入院していた七国山病院のモデルは、現在の東京都東村山市にある八国山病院で、この病院は、結核専門の隔離施設「サナトリウム」があったことで非常に有名な病院です。以上からお母さんの病名は「結核」説が有力となっています。

「となりのトトロ」に登場するトトロですが、実は日本でも興行収入100億円を超える大ヒットとなった『トイ・ストーリー3』に出演して話題になりました。

大トトロがボニーの部屋のぬいぐるみとして登場し、出番も複数回に渡って存在し、おなじみの歯をむき出した笑顔を見せてくれるシーンにファンからも驚きの声が聞かれました。、シリーズの生みの親であり当時制作総指揮を務めていたジョン・ラセターと、宮崎駿に交友関係があり、ジョン・ラセターのオファーを快く承諾したことで実現しました。

孤独な少年と心優しいロボットの絆や冒険を描き、第87回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したディズニーアニメの「ベイマックス」。実はこのベイマックスは「トトロ」のオマージュであるという都市伝説があります。

日本国内にとどまらず、海外でも愛されているジブリ作品。映画界にもファンは多く、ディズニー＆ピクサーの監督をはじめ、ウェス・アンダーソン監督、ポン・ジュノ監督らも“ジブリ愛”を公言しており、ラセターが製作総指揮を担当した「ベイマックス」は同作からのインスピレーションを受けたそうです。アンダーソン監督の「犬ヶ島」も「となりのトトロ」からインスピレーションを受けており、エレーヌ・ジロー監督による仏製アニメ映画「ミニスキュル　森の小さな仲間たち」にはまっくろくろすけにオマージュをささげたキャラクターが登場しています。

『となりのトトロ』の舞台は、宮崎駿監督の自宅がある埼玉県所沢市で、サツキとメイの家がある隣にトトロの住んでいる森がありますが、そのモデルとなった所沢の「塚森」という森は心霊スポットとして有名だそうです。

塚森には「白旗塚」と呼ばれる鎌倉時代の古戦場跡があります。ここにある塚には石碑が置かれ、塚を壊した者は死に絶えるといった文言が書かれているとか。また塚へ登る入口は、メイがトトロたちを追いかけて行く場所にもよく似ています。塚森が心霊スポットとして有名になったのは、サツキとメイの都市伝説が噂されるようになったためで、言ってしまえば後付けの話ということになります。

『となりのトトロ』のストーリー設定と、1963年に埼玉県狭山市で起こった誘拐事件「狭山事件」には、共通する部分があるという都市伝説があります。舞台は埼玉県所沢市で、事件があった狭山市に隣接していること、事件後に、行方不明になった妹のことを捜索する姉の姿が目撃されていること、サツキ(皐月)とメイ(May)はどちらも5月を表す名前で、狭山事件が起こったのも5月というのが理由です。

そもそも製作当初、主人公は女の子1人の予定でした。姉妹にしたのは「2人いれば上映時間を延ばせるだろう」という宮崎駿監督の考えからです。しかも実際に起きた狭山事件の被害者は、サツキとメイのような子どもではなく、16歳と23歳の姉妹でした。また狭山事件において、姉が妹を探していたという事実はないことからこれはデマということがわかります。