荊棘叢裏は、乱臣や逆臣が住んでいる家のたとえで、「荊棘」は荊のことで荊に棘があることから、障害になるもののたとえで、「叢裏」は草むらの中のことを指しています。草むら中にひっそりと潜んでいる荊という意味からきています。

悪木盗泉とは、どんなに困窮でも人の道に外れる様な行為はしない。少しでも疑われる行動を取らないという意味で、”悪木”は｢役に立たない木｣｢人を刺す木｣、”盗泉”は｢(喉が渇いていた)孔子が飲まなかった水｣という意味です。「父親が家族を捨て出て行ってから家計は大変苦しくなったが、母と二人で力を合わせて悪木盗泉を胸に頑張った。」などのように使われています。

田夫野人は、教養がなく言動の荒々しい、いやしい人をさげすんで表現した四字熟語です。「〇〇くんは、田夫野人のような下等極まりない行為をする」などのように使われています。

内股にはった膏薬が、左の股についたり右の股にはりついたりするということから、自分のはっきりとした意志や意見がなく、そのときどきによって、あっちについたりこっちについたりすることを意味しています。いわゆる節操のない人のことで、「あいつは誰にでも内股膏薬だから信用できない」などと使われています。

大欲非道とは、たいへん欲が深く、道理にはずれて非人情なさまを意味しています。非常に欲の深いことで、人としての道にはずれていることで、「あの不動産屋は大欲非道だから強引な値上げしてくる」などのように使われています。

君側之悪とは、君主のそばに仕えている悪人のこと。または、君主に媚を売り、悪いことを企んでいる人のことを意味しています。「殿様に気に入られている越後谷は、自分の利益しか考えていない君側之悪です」などのように使われています。

悪人正機（あくにんしょうき）は、浄土真宗の教義の中で重要な意味を持つ思想で、「“悪人”こそが阿弥陀仏の本願（他力本願）による救済の主正の根機である」という意味です。「親鸞の悪人正機説は現代の思想家にも影響を与えている」などのように使われています。

人面獣心とは、顔は人間のものであるが、心は獣であるという意味から、冷酷非情な人、義理人情を解さない人のことをののしった四字熟語です。「人柄がよさそうな彼だが、人面獣心なので平気で人を蹴落として出世を狙っている」などのように使われています。

一文不通とは、文字を知らず、読み書きできないことで、いわゆる無学を意味します。例えば、「会長は経営能力ばかりでなく文才も豊かで、わたしたちのような一文不通の人間とは格が違います」と謙遜する使い方ができます。しかし他人から「あいつは一文不通だから」などと言われたくはありません。

城にいる狐（きつね）や社（やしろ）にいる鼠（ねずみ）を追い出すには、城や社を壊さなければならないので、たいへん困難であるという意味から、排除しにくい悪事をたくらむ家臣のことをたとえた四字熟語です。「これだけ不祥事が続くのは、どこかに城狐社鼠がいるからだ」などのように使われています。

眼中之釘とは、自分に害をなすもののたとえで、邪魔者、いやなやつ、憎らしい人などのたとえとして使われています。　「眼中の釘が抜けたようでせいせいした」などと用いられています。

悪事千里は、悪い行為や評判は、またたくまに世間に知れ渡ることを意味する四字熟語です。〕「よい評判はなかなか伝わらないが、悪い評判は悪事千里を走るので、すぐに知れ渡る」などのように使われています。

才能や働きがないのに高い地位を得ていること。またはそのような人を意味しています。例文の中では、「尸位素餐の汚名を受けることのないようがんばる」などのように使われています。

一毛不抜は、一本の毛を抜くことさえ、損をするから抜きたくないというひどくケチな人を意味しています。「僅かな損さえしたくない一毛不抜な彼は、デートのときは必ず割り勘」などと言われたくないですよね。

言語道断とは、仏教の深遠な教えは、言葉では説明が不可能であるということから、言葉で説明する道が断たれているという意味です。現在では、言葉では説明ができないほどに悪かったりすごかったりすることや、もってのほかであると非難するときなどに使われています。

含沙射影は、陰険な方法で人に危害を加えること。こそこそと誹謗中傷することを意味する四字熟語です。「あの人を敵に回すと含沙射影、とてもひどい方法で攻撃してくる」などのように使われています。

奸佞邪智は、心がひねくれていて、悪知恵を働かせて上手にこびへつらう意味の四字熟語です。「上司の奸佞邪智ぶりにはさすがに呆れる」などのように使われています。

悪逆無道は、人の道にそむいたけたはずれの悪い行いを意味する四字熟語です。『平家物語（へいけものがたり）―三』に、「入道相国の体を見るに悪逆無道にして、ややもすれば君を悩まし奉る」という句が見られます。

極悪非道は、人の道にはずれて、この上なく悪いことを意味しています。「戦争で何の罪もない子供たちまで犠牲にするなんて、極悪非道がすることだ」などのように使われています。