2006年6月19日、自転車を運転していた育英高等学校野球部の生徒が、他の中学生の女子が運転していた自転車にわざとぶつかり、足が痛いと嘘をついて付近のスーパーマーケットのトイレに中学生を連れ込み、わいせつな行為をしたとされ、中等少年院に送致されました。この件で捜査を続けていくうちに、同年に育英高校野球部では別の生徒もわいせつな行為をしていたということが判明。監督は引責辞任することになりました。

センバツ出場：7回
選手権出場：20回
主なOB：
・松本晴
・浜屋将太
・大谷龍次
・大和
・青野毅
・鶴岡慎也
・大西崇之　他

2021年、樟南（鹿児島）は、野球部員への体罰で野球部副部長のプロ野球ロッテ元選手で同校OBの青野毅が日本学生野球協会から4カ月の謹慎とされました。学校によると、ロープを上り下りするトレーニング中、部員の脇腹を叩き、約1メートルの高さから転落。他にも指導中にバインダーを投げつけ、別の部員の頭に当たったものの2人にケガはなかったそうです。青野は行為を認め「部員の態度に腹が立った」と説明しています。

2019年、甲子園大会に春夏計26回出場している私立樟南高校（鹿児島市）の野球部員が寮や部の倉庫で飲酒や喫煙をしていたとして、同校が日本高野連から厳重注意処分を受ける事件がありました。その年の全国高校野球選手権鹿児島大会には出場しましたが、関与した部員10人は出場停止となりました。監督と部長を無期限謹慎処分とし、対外試合と練習も無期限で自粛しています。

センバツ出場：2回
選手権出場：11回
主なOB:
・吉田一将
・山崎晃大朗
・京田陽太
・三森大貴
・堀岡隼人
・西村凌
・木浪聖也
・堀田賢慎
・川原田純平

2011年12月18日深夜、同高男子硬式野球部1年生部員が学校敷地内にある野球部寮内において2年生部員に背中を殴打されて死亡する事件が起きました。1年生の部員らが寮の消灯時間が過ぎた後になって、焼肉を作っていたことに立腹した2年生部員が暴行を加えたとされています。なお、青森山田高校側は「いじめはなかったと認識している」と説明。事件から2日後の12月20日、同高は秋の東北地区大会でベスト4となった野球部の第84回選抜高等学校野球大会への推薦を辞退しました。上級生は2012年1月に書類送検され、2月に自主退学しています。

センバツ出場：32回（優勝4回）
選手権出場：28回（優勝7回）
主なOB
・稲葉篤紀
・紀藤真琴
・後藤孝志
・前田章宏
・嶋基宏
・伊藤隼太
・堂林翔太
・伊藤敦規
・木村龍治　他

1954年の夏。愛知県代表の中京商は5度目の全国制覇を飾り、深紅の優勝旗を名古屋市内の学校に持ち帰りました。しかしその11月末に「優勝旗紛失事件」が発覚します。その年は軟式野球部も全国優勝を飾っていた。軟式部員がその優勝旗を持って写真を撮影しようと校長室に入ると、甲子園大会の優勝旗はなく、残った旗竿には替わりに軟式野球部が勝ち取った旗がついていました

学校は大騒ぎとなり、捜索には50人近い警察官と全校生徒も動員。周囲の山狩りまで行ったが手がかりさえつかめないまま。中京商の報告を受けた主催者の朝日新聞は当初「絶対に探し出しなさい」と冷たく突き放していたそうです。しかし、年が明けると優勝旗新調も考えざるを得なくなっていた。そんな矢先の1955年2月。学校から500メートルほど離れた中学校の床下から、風呂敷に包まれた優勝旗が見つかりました。犯人は未だにわからず、この事件以来、優勝校は優勝旗を金庫に入れたり、銀行に預けたりして管理に気を使うことになったそうです。

センバツ出場：5回
選手権出場：4回
主なOB
・田中幹也
・戸田懐生
・勝俣翔貴
・高橋優貴
・南要輔
・鈴木昂平
・金森敬之　他

春の選出は5回目、夏も4回甲子園に出場している強豪校の一角と言える東京都の東海大菅生の若林監督が、部員への暴行などで書類送検される事件が起こりました。若林監督の暴力は日常化し、1年生部員が監督の暴力行為がもとで適応障害を起こし、野球部を退部、退学した例もあったそうです。それだけではなく、学校側はこの事実を隠蔽いんぺいし県高野連に報告しませんでした。若林監督はその後解任されました。

甲子園で前代未聞のクレーム劇が起きたのは、2019年の選抜高校野球2回戦、星稜対習志野戦後でした。敗れた星稜の林和成監督がサインの伝達行為があったとして、相手控え室へ乗り込み習志野（千葉）の小林徹監督に猛抗議。同点につながった場面に疑念を抱き、「フェアじゃない」と怒り心頭。物議をかもす事態となりました。さらに帰郷後に許可なく週刊誌の取材を受け、掲載されたことを学校側が問題視、林監督は学校側から無期限の指導禁止処分を下しています。

センバツ出場：20回（優勝3回）
選手権出場：17回（優勝4回）
主なOB：
・片岡篤史
・清原和博
・桑田真澄
・小早川毅彦
・立浪和義
・福留孝介
・前田健太
・松井稼頭央
・宮本慎也　他

PL学園高校野球部では、度重なる不祥事・事件が問題になりました。1986年に発生したPL学園高等学校野球部でのいじめによって部員が死亡した事件はその代表的な事件でした。1986年6月に、3年生部員が2年生部員に対して、敷地内の池にスリッパを投げ込んでそれを取りに行くように命令します。その時に命じられた部員の1人はスリッパを取りに池に潜り込んだが上がってきませんでした。それに慌てた3年生部員は、たまたま近くにいた桑田真澄の父親に助けを求め、それからレスキュー隊を呼び引き上げられましたが、すでに死亡していました。

この事件が起きたことから2年生部員は寮で座り込みをして3年生のいじめに抗議をしますが、不祥事は無くなりませんでした。翌年の選抜高等学校野球大会では、応援団は人文字で死亡した部員のイニシャルであるMをスタンドからやろうとしましたが、学校側と日本高等学校野球連盟から反対されたためにできなかったそうです。