帝王切開とは一般的な出産（産道を通って赤ちゃんを産む）するのが難しいと判断された場合に行われる出産方法で、膣とお腹を切開して赤ちゃんを取り出すことを指します。帝王切開の出産割合は「5人に1人」と言われていて、その割合も年々増加傾向にあります。

帝王切開には「怖い」、「自然に産んであげられない」といったイメージを持つ人もいますが、母子の無事を考えた出産方法なので落ち込むことはありません。

帝王切開にはあらかじめ予定を決めて行われる「予定帝王切開」と赤ちゃんや母体に何か問題があったときに行われる「緊急帝王切開」のふたつがあります。

予定帝王切開は妊娠37週目までに自然な分娩が難しいと判断されたときに行われ、緊急帝王切開は出産が長引く場合や赤ちゃん・母子の状態から出産方法を帝王切開に切り替える場合に行われます。

帝王切開にかかる時間は平均すると「1時間程度」とされています。手術時間は処置方法などによっても変わりますが、自然な分娩と比べて比較的早いことが多いようです。

また、手術前には麻酔を投与するため、トータルするともう少しかかるようですが、実際にお腹を切開して赤ちゃんを取り出すまでは数分で終わるのが一般的とされています。

予定帝王切開の場合、手術の前日に入院するのが一般的で、手術の説明や赤ちゃんの状態チェック、手術部位の剃毛などがあります。一通りチェックを終えれば当日をそのまま待つことになります。

ちなみに飲食については前日の夜から制限されることもあり、出される夕食はしっかり食べることが大切。当日は飲食できない場合が多く、これは胃腸の負担を和らげるためとされています。

手術当日は母子ともに健康チェックが行われます。赤ちゃんの検温や血圧、母体の健康状態を一通り確認したあとに手術準備に取り掛かります。準備は病院によってやり方が異なるため一概には言えませんが、点滴や弾性ストッキングを履くことになります。

準備を終えれば手術室へと移動となり、麻酔をするための準備に入ります。

手術室に入るとまずは尿管カテーテルを挿入され、麻酔をかけられます。麻酔は「局所麻酔」を使用するため、全身麻酔と違って意識を保ったまま出産を行うことが可能です。

麻酔には時間がかかるため、すべての処置が完了するまでに30分～1時間かかるのが一般的です。

麻酔処置が完了すればいよいよ出産に取り掛かります。手術中も意識はありますが、痛みを感じることはなく、切開から数分で赤ちゃんが生まれてきます。

赤ちゃんを取り出したあとは胎盤が取り出され、切開部の縫合が行われます。出産自体は非常に早いですが、すべての処置が終わるまでには1時間前後を要し、母体の体調が整ったところでお部屋へと帰ることになります。

帝王切開が終わったあとはお部屋へ戻り、経過を見て飲水の許可がおります。術後の食事については重湯などの消化が良いものが出され、翌日から開始となります。

お腹の痛みは感じますが、3日前後ほどで徐々に落ち着いていき、痛みの加減によってはお薬を投与される場合もあります。

帝王切開で手術をした翌日からは歩行が開始されます。これは血栓予防のためであり、体を動かすことで回復が早くなるのだそうです。最初は痛みもあるため、ベッドから起き上がるのに看護師などのサポートを受けることとなりますが、次第に自分で起き上がって歩けるようになるでしょう。

手術前に挿入していた尿管カテーテルは歩行のときに外し、以降は自身でトイレへ行くことが可能になります。

帝王切開の手術後は回復状態にもよりますが、2～3日ほどで赤ちゃんのお世話を始めることになります。赤ちゃんへ授乳をしたり、おむつを替えたりするのもこのときが最初で、入院生活の中で日に日に慣れていきます。

出産後はホルモンバランスの影響から気分が落ち込みやすいとされていて、産後なかなか体が動かせなかったり、初めての子育てがなかなか上手くいかなかったりすると、余計に落ち込みやすくなってしまいます。

そのため、産後の落ち込みがあれば看護師さんなどを頼り、話を聞いてもらうようにしましょう。

帝王切開でお産が終わったあとは退院まで1週間前後を必要とします。退院する頃には痛みは無くなり、体も随分動かしやすくなります。また、赤ちゃんのお世話にも慣れてくるので、退院後の育児も楽しみになります。

退院前には一度診察を受け、容態を見てからの退院になり、以降は4～8週間かけてゆっくり体の調子が戻っていきます。

「5人に1人」が帝王切開で出産するだけあって芸能人や有名人の中にも帝王切開で出産した人は大勢います。彼女たちの中には産後に水着姿を披露している人もいて、帝王切開の傷跡はほとんど残らないこともアピールしています。

また、彼女たちの中には帝王切開に対する偏見に抗議する人もいて、帝王切開であっても自然分娩と変わらないことを主張しています。

名前：加藤 貴子（かとう たかこ）
生年月日：1970年10月14日
出身地：静岡県
身長：158㎝
血液型：A型
職業：女優

女優の加藤貴子は高齢出産であることを理由に帝王切開で出産した芸能人。彼女は結婚後は不妊治療を続け、42歳で妊娠するも流産。その後も妊娠と流産が合計3回も続き、4回目の妊娠でようやく出産。

44歳のときには第二子となる男の子を出産していて、このときも帝王切開を行っていました。

名前：大木 明那（おおき あきな）
生年月日：1985年6月19日
出身地：沖縄県
身長：152㎝
血液型：AB型
職業：タレント、女優、振付師、元アイドル歌手

お笑いタレントビビる大木の妻であるAKINAも帝王切開での出産を経験した芸能人のひとり。彼女は胎盤の位置が低く、元々予定していた病院では出産できなくなり、大きい病院へ転院し帝王切開で出産しました。

当時は赤ちゃんが思ったよりも小さかったようで、なかなか帝王切開の日取りが決められなかったのだとか。そんなときにまさかの出血から緊急入院となり、陣痛が来たことで出産に踏み切ったのだそうです。

名前：蛯原英里（えびはら えり）
生年月日：1979年10月3日
出身地：宮崎県
身長：168㎝
血液型：O型
職業：セラピスト

姉にモデルの蛯原友里を持つ蛯原英里も帝王切開で子供を出産しました。彼女は過去に子宮筋腫の手術を受けたことがあったようで、それが要因となって帝王切開で出産。

2人目も帝王切開で出産していて、産後は傷口や後陣痛、背中の張りから2日間動けずに過ごしたのだそうです。

名前：吉澤 ひとみ（よしざわ ひとみ）
生年月日：1985年4月12日
出身地：埼玉県
身長：164㎝
血液型：O型
職業：元歌手、元タレント

元モーニング娘。のメンバー吉澤ひとみも帝王切開で出産した芸能人。彼女は妊娠中期の25週目に子宮頸管長が短くなったことで入退院を繰り返すことに。

その後、「自然分娩は難しい」との判断から帝王切開になり、第一子となる男の子を出産しました。