南海トラフは、四国の南の海底にある水深4,000m級の深い溝のことで、東端を金洲ノ瀬付近のトラフ狭窄部、西端を九州・パラオ海嶺の北端としています。南海トラフをdeformation frontとして南側のフィリピン海プレートが北側のユーラシアプレート下に沈み込んでいる収束型のプレート境界としています。数十年から数百年間隔で南海舟状海盆（トラフ）のメガスラスト及びこれに付随する断層を震源断層とする巨大地震が発生していると考えられています。

南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100～150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震で、前回の南海トラフ地震（昭和東南海地震（1944年）及び昭和南海地震（1946年））が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まっていると注意喚起されています。

政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震が発生した際の被害想定を実施していますが、この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度７となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度６強から６弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。

南海トラフ地震の発生による沖縄県の死者は10人、避難者は400人と言われています。また直接被害額は1000億円とも言われています。

福岡県が設定した「福岡県津波浸水想定（平成28年）」では、マグニチュード9.1の地震発生に伴い、最大 3.5mの津波が到達すると想定されています。死者は10人、避難者は2600人と言われています。

南海トラフ地震が発生すると熊本県での死者は20人、負傷者400人、避難者は22000人と想定されています。全壊建物は3200棟、直接被害額は4000億円と言われています。

南海トラフ地震による茨城県の死者は20人、全壊建物は40棟、浸水被害は6.0平方キロ、直接被害額は500億円と想定されています。

南海トラフ地震が発生すると長野県では50人の死者、負傷者は2000人、避難者は27000人と想定されています。全壊建物は2400棟、直接被害額は5000億円と言われています。

南海トラフ地震が発生した場合、長崎、雲仙両市などで最大4メートルの津波が想定されており、死者は80人、避難者は1900人と言われています。

南海トラフを震源とし、過去、概ね 100 年から 150 年周期で発生しており、最大マグニチュード 9 クラスの巨大地震が発生した場合、山口県においては、震度 6 弱、瀬戸内海沿岸に最大 3.8ｍの津波が来 ると想定されて、死者は200人と言われています。

南海トラフ地震が発生すると岐阜市内全域で震度5強以上の揺れに見舞われ、最大で震度6強が予想され、震源に近い南西部において、震度6強の範囲が多く分布します。 死者は200人、負傷者は5000人、避難者は89000人と言われています。