恋愛やセックス、ゲーム、酒、薬物など、現代社会では「依存」に陥るような様々な快楽が限りなく存在しています。人間の依存的な行動をコントロールするのがドーパミンです。このドーパミンがあふれ出している状態を人間が快楽を得ている状態と表現しています。

ドーパミンは快楽物質とも呼ばれていて、楽しいことをしている時や目標を達成したとき、褒められたときなどに分泌されます。 やる気を出してくれるのも役割の一つです。 ある行為でドーパミンが放出されて快感を得ると、脳がそれを学習して、再びその行為をしたくなります。

褒められると、人はドーパミンと呼ばれる快感ホルモンが放出されます。 ドーパミンは意欲や快楽に関係する神経伝達物質で、放出されることで気分が高まり幸せな気持ちになります。 また、「褒めてもらえた！」という喜びや安らぎが生まれ、褒めてくれた相手に対する信頼感が自然と高まるとされています。

テレビを夜遅くまで見ているとなかなか寝られないという方も多いかと思います。この原因は「光」と「ドーパミン」が頭を覚醒させているからだと言われています。人間は太古から夜は眠って昼間に活動してきたためでしょうか、人は光るものを見ているあいだ、脳からリラックス効果を生む「メラトニン」が分泌されない。さらにドーパミンが分泌されるため、ナチュラルハイな状況になると言われています。

行動学の専門家によれば、「人助け」は中毒性を持ちうると認めています。人を助けるとき、脳はセロトニン、ドーパミン、オキシトシンのいわゆる「ハピネス・トライフェクタ」と呼ばれる3つの化学物質を分泌します。これらが組み合わさった結果として生じる幸福感を、人は当然、繰り返したいと思う。しかし、人を助けたいという欲求が抑えられなくなり、自分の目的意識が他者、すなわち自分の指導を必要としている相手に直接結びついてしまうと、助けているのはもはや他者ではなく、自分自身ということになります。

脳にとってお金は非常に特異な刺激物と言われています。それはモチベーションを高めてくれるものとしてお金を一番に思い浮かべる人も多いことからもわかります。お金は報酬予測を導いてモチベータとして役立つ可能性は非常に高いわけです。宝くじは、当たるかもしれないし当たらないかもしれない。まったく報酬予測が立たない。だからこそ、ドーパミンは出やすい。つまり、最初からわかっている給料50万円より、運よく道端で拾う1000円のほうがドーパミンが出やすいわけです。

眠るとなぜ気持ちがいいのでしょう。太古の時代、眠りほど無防備で危険な状態はありませんでした。眠っている間、意識が働かないのでいつ外敵に襲われるか分かりませんでした。だけど、大脳も休息したい。そこで眠りを確保するために生まれたシステムが「眠り」という危険を冒す代わりに「気持ちいい」というごほうびを受け取ること。つまり「眠りの確保」という行動に対する報酬が、「気持ちよさ」「快感」を得られることにつながると言われています。

音楽を聴くと、副交感神経を誘導するためリラックスした状態になり、脳内に幸福度が高まるドーパミンという分泌を促し、ストレスホルモンを減少させる効果があります。 そのため「好きな音楽を聴くと、仕事や家事がはかどる」ということもわかっています。

気心の知れた仲の良い友達とともに何ごとかを成したという満足感や、他者と一体になれた感覚が生じて満足感を得られると言われています。これは社会的に他者から受け入れられているという基本的な承認欲求、友達を通して社会からの高評価として保身欲求、他人と仲良くなりたい親和欲求などが原因と言われています。

脂肪と糖で人を誘惑するぜいたくな料理は、がまんできないほど魅力的に感じられるものです。長期休暇の時期などは特にそうで、専門家によると、これは単なる気持ちの問題ではないそうです。食品に含まれる脂肪分と糖分を増やす傾向は半世紀前から続いていて、今では米国の成人が消費する食品の半分以上が「超加工食品」になってしまっています。こうした食品は、体にある脂肪と糖のセンサーに働きかけ、ドーパミンを放出させるように最適化されていることが多いそうです。

ゲームは基本的に、プレイヤーの脳を強く刺激し、脳が興奮状態になるように作られています。 興奮状態になった脳は、快楽物質であるドーパミンを大量に分泌するのです。 ドーパミンが分泌されたことで、やる気が出て、幸せな気分になり、その結果ゲームに没頭していくと言われています。

飲酒により脳内にドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が分泌され、脳の報酬系が刺激されます。 この部分が刺激を受けることで人は満足感や快楽を感じます。 そのため、また満足感や快楽を得たいと思い、飲酒を繰り返していきます。 次第にさらに強い刺激を求めるようになり、アルコールへの依存が形成されます。